初夏の微風が、きみの髪をやわらかくなぶって吹きすぎる。 私を見つめるきみのまなざしが、空の色をうつし その白い頬にほのかな血のいろがさすとき、 こんなつくりものの我らでも、森羅万象の一部になることができるのだと 確かに思うことができるのだ。 サイボーグの描写、作家さんによってだいぶ違いますが 私はどちらかというと、あまりメカメカしくなく 有機的なほうが好きです。 まあ、ハインに有機的もなにもないか……。 でも、右腕はどうしようもなくても、両脚は 膝以外はできるだけ人間らしい姿であってほしい。 あと、あまり超人的でないほうがよいです。 フルパワーでの活動時間が限られていたり、 定期的にからだの部品交換が必要だったり。 そんなところに、彼等もおのれの不完全性を感じていたらいい。 グレートさんはともかく、ハインリヒも段階を踏んでちょっとずつ 手術を重ね、自然な容姿を手に入れていったのではないかと妄想。 「モダーン・ナルシス編」で、モデルの女の子がフランソワーズの 頬に触れて、人工のものだと悟る(?)場面がありましたが 年頃のフランソワーズに、あれは酷な設定だよなあ……。 そして、年若い仲間たちのきらきらした生命力よりもむしろ そこそこ年齢を重ねたハインリヒに、少年の日の面影や 自然の造形の妙を見いだして、 グレートさん、ちょっとどきどきしていたらいいや。 たぶんハインもハインで、自分を見つめるグレートさんに 胸ときめかせていたりするのですが。 ブラウザの「戻る」で、お戻りください。 |